ドライアイは、細隙灯顕微鏡、染色、涙液検査で診断!

ドライアイの検査

● 眼の表面をみる検査(細隙灯顕微鏡検査、角結膜生体染色検査)

  細隙灯顕微鏡検査 (さいげきとうけんびきょうけんさ)
 顕微鏡で角結膜上皮を観察します。 ドライアイでは涙液メニスカスといって、角膜 とまぶたの間にたまった涙の高さが低い(矢印) ことが多く見られます。貯留した涙の量を直接 見ることができます。

(矢印はドライアイにて涙液メニスカスが低い こと、そして角膜上皮に細かいキズがあることを示しています。)


 角結膜上皮も皮膚と同じように上皮細胞の 再生と脱落を繰り返しています。角膜は5〜7日 で上皮細胞が入れ代わります。脱落した細胞 は涙によって洗い流されますが、ドライアイ では洗い流されにくくなり、角膜表面 に残っ て(矢印)います。それをデブリス(細胞残 屑)といいます。 ドライアイ診断になれた先生は涙液メニスカ スやデブリスを見るだけでドライアイを疑い ます。


  角結膜生体染色検査
 フルオレセインとローズベンガル染色液を 点眼し、細隙灯顕微鏡で観察します。フルオ レセインは角結膜上皮細胞の欠損部にたまり ます。従来、ローズベンガルは変性細胞が染 色されるといわれていましたが、最近の研究 で角結膜上皮細胞のムチン層(粘液)が欠如 した部分とされています。 ドライアイが悪化すると、眼表面には多くのキズがつき、角結膜上皮がはがれてしまう こともあります。写真は重症なドライアイで角結膜上皮がフルオレセインで染色されてい ます。

● 涙液検査

・ シルマー検査・・・涙液分泌を測定
試験紙を下まぶたに5分入れ、涙で濡れた長さをはかる。
正常は10 mm以上、異常は5 mm以下
シルマー検査は正常でもBUTで異常である場合が多い。

・ BUT検査(涙液層破砕時間)・・・涙液保持力を測定
フルオレセイン色素を点眼し、涙液が乾燥する時間を測定する。
最も大切な検査。正常は10 秒以上、異常は5 秒以下
(BUT:Break Up Time )