何と!オフィスワーカーの75%がドライアイの可能性!
3 名に1 名がドライアイ

 ドライアイはさまざまな症状があり、国内で推定800 万人にのぼっています。でも病気 じゃないからと放っていませんか?パソコン操作をしていると適正なメガネをかけていて も眼が疲れやすい、コンタクトレンズ(CL)をしていて眼が乾く、アレルギー性結膜炎 が治りにくいなど、ドライアイがあるとその病気が治りにくくなります。ドライアイは深 刻な病気ではありませんが、日常生活に常に支障をきたすことになります。ドライアイの 適切な診断と治療を受けましょう!  2003 年度日本眼科医会記者発表会において横井は、1025 名のオフィスワーカーを調査 し、ドライアイ確定例 31.2%(男性22.9%、女性40.6%)、ドライアイ疑い例 43.8% でした。オフィスワーカーの75%がドライアイの可能性があり、3 名に1 名がドライアイでした。

ショボショボ、ぼやける、乾く、ゴロゴロする、もしやドライアイ?
 

涙の役割
1 乾燥防止
2 殺菌;細菌やウイルスなどをころす
3 洗  浄;ゴミや抗原などを洗いながす
4 酸素供給;大気中の酸素が涙にとけて
   角膜上皮に酸素を供給
5 栄養補給
6 角結膜の表面をなめらかにする

 涙が眼の表面をおおっていれば、瞳はうるんでいます。涙は1日に2〜3ml ほど分泌され、乾燥防止、殺菌、洗浄、酸素供給、栄養補給そして角膜の表面 をなめらかにするなどの多くの役目を担っています。 涙が不十分でないと、眼の表面 は傷がつきやすくなり、ショボショボやぼやけたり、充血したりとさまざまな不快な症状があらわれます。次のような症状があったら眼科で診察を受けましょう!

こんな症状はドライアイが考えられます!
・ショボショボする ・ぼやける ・乾く
・ゴロゴロする ・痛い ・かゆい ・疲れる
・涙が出る ・朝、眼を開けられない
・メヤニが出る  ・眼が熱い 
・タバコのけむりが眼に痛い
・眼が重たい ・不快感がある、

「涙が出る」はドライアイなのにどうして?と思いますが、眼の表面 が乾燥した結果、反射性涙液分泌が促進され涙が出るのです。寒い日に冷たい風が眼にあたることでよくおきます。ドライアイでは重要な症状の一つです。

ドライアイは、涙の分泌不足より、蒸発によることが多い!

涙の成分(血液成分に似ている)
・ナトリウム ・カリウム ・カリシウム
・塩素 ・ビタミンA ・ビタミンC
・ブドウ糖 ・アルブミン(成分維持、運 搬)
・ラクトフェリン(抗菌作用)
・リゾチーム(抗菌作用) ・IgA(免疫成分)
・EGF(細胞成長因子、キズをなおす)
・TGF−α(細胞成長 因子、キズをなおす)
・TGF−β(細胞成長 因子、キズをなおす)

 涙の成分は、血液に似てい ます。水分、酸素、栄養分の 他にナトリウムや塩素などの 電解質やリゾチームなどの抗 菌作用やEGFなどの細胞成 長因子など重要な物質が含ま れているのです。重症のドラ イアイには自己血清を点眼す る治療法もとても有効です。 それは涙液成分が大きな役割 をしています。

涙液層 Tear Film
 角膜の表面は7ミクロン( 7/1000 mm)の薄い涙液層Tear Film で覆われています。 涙液層は内側からムチン層、涙液層、油層の3層で形成されています。

ムチン層(粘液層)

 ムチン層は結膜の杯細胞(gobet cell)と角膜上皮から分泌されている粘液が、水をはじく性質 の角膜に涙液をのせる役目をしています。粘液層の異常はステイーブン・ジョンソン症候群、眼類天庖疱瘡、ビタミンA欠乏症がありますが、非常にまれです。

 

涙液層
 涙液層は上まぶたの外側の眼窩にある、涙腺から分泌する涙液で構成しています。涙液分泌減少型ドライアイは涙液層の異常がほとんどです。ドライアイは軽症のものが大部分ですが、重症なドライアイとしてはシェーグレン症候群というものがあります。免疫異常が原因であり、涙腺と唾液線を自分の体の免疫が攻撃して腺組織が破壊されます。それほど多くはない疾患ですが、治療に苦慮します。

油層
 油層はマイボーム腺から分泌される油(脂)で構成されます。マイボーム腺は上下のまぶたにあり、まぶたのタテの方向に20個ほどの腺組織があり、その開口部がまぶたの内側にあり、眼の表面 に油(脂)を分泌し、角結膜上皮からの涙液の蒸発を防いでいます。マイボーム腺機能低下症は中年以降になるとその機能が低下して油(脂)の分泌量 が少なくなります。若い女性にも見られます。マイボーム腺は男性ホルモンが関与しており、男性よりも女性の方が多く見られます。 涙液蒸発過多型のドライアイは油層の異常がほとんどです。

ドライアイの分類(タイプ)

・涙液分泌減少型;中高年女性に多い

 シェーグレン症候群
   免疫疾患で涙腺、唾液腺からの分泌が減少


・涙液蒸発過多型;全世代に多い

 マイボーム腺機能低下症
  マイボーム腺はまぶたにあり、そこから分泌しているあぶら(脂)の量 が減る。
  あぶらは角結膜上皮の涙液の蒸発を防ぐ役割
  パソコン画面の凝視
  
まばたき(瞬目) の減少で乾燥する
   (通常20 回位の瞬目が、画面凝視で4〜6回位に低下し涙が蒸発する)
  コンタクトレンズ(CL)
   CLはドライアイの原因になります。
   CLは涙を吸収し(ソフトCLの場 合)、レンズ表面から水分を蒸発します。
   ハードCLはレンズ表面の水分蒸 発が殆どなのでソフトCLより
   ドライアイには適しています。